ITエンジニア不足は、ここ10年どころか20年以上前から言われ続けているテーマです。私自身、学生時代から「IT人材が足りない」と聞いてきましたが、2026年現在も状況は改善するどころか、むしろ深刻化していると感じます。
本記事では、過去データを踏まえつつ2026年時点のITエンジニア不足の実態と、その背景、そしてエンジニアとしてどう向き合うべきかを整理します。IT業界で働く方、これから転職やキャリアチェンジを考えている方の判断材料になれば幸いです。
ITエンジニアは今どのくらい不足しているのか
経済産業省が公表した有名な調査では、2018年時点で約22万人のIT人材不足が指摘されていました。さらに将来予測として、
- 2030年時点で約16万人〜最大79万人の不足
という試算が示されています。
この数字は2020年代前半にDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んだことで、現実味を帯びたものになりました。2026年現在、多くの企業が以下の分野で慢性的な人材不足を感じています。
- クラウド(AWS / Azure / GCP)
- AI・データ活用(生成AI含む)
- セキュリティ
- 業務システム刷新・モダナイゼーション
大学卒業者数は年間約55〜60万人規模ですが、そのうち情報通信業へ就職するのは1割未満です。しかも全員がエンジニア職に就くわけではありません。供給が需要に全く追いついていない構造は、2026年になっても変わっていないのが実情です。
なぜITエンジニアは不足し続けるのか
IT人材不足の理由は一つではありません。ここでは、一般論と私自身の現場経験を踏まえて解説します。
1. 技術革新のスピードが異常に速い
IT業界の最大の特徴は、技術の陳腐化が早いことです。
- オンプレミス → クラウド
- PC中心 → スマートフォン・SaaS
- 従来型開発 → アジャイル / DevOps
- そして近年は 生成AIの実務活用
新しい技術が普及するたびに「その技術を使える人」が必要になります。結果として、経験者が常に不足する状況が生まれます。
2. IT業界は成長産業であり続けている
IT業界は景気に左右されにくく、長期的に見ても成長産業です。特に2020年以降は、
- DX推進
- 人手不足対策としてのIT投資
- AIによる業務効率化
といった流れが加速しました。企業がIT投資をやめない限り、エンジニア需要は減りません。
3. 「きつい仕事」というイメージが根強い
長時間労働、炎上プロジェクト、休日対応──こうしたイメージが先行し、
- 新卒でIT業界を敬遠
- 他業界へ転職
という流れが一定数存在します。実際、すべての現場が過酷なわけではありませんが、過去の悪いイメージが今も影響しているのは事実です。
4. 経験者の離職・キャリアチェンジ
私の体感でも、
- 激務プロジェクト後の離職
- 年齢とともに将来不安を感じて転職
- スキルが評価されない環境からの脱出
といった理由で業界を離れる人は少なくありません。特に40代以降は「このままでいいのか」と悩む方が増えます。
5. 一人前になるまで時間がかかる
ITエンジニアは、採用してすぐ戦力になる職種ではありません。
- 基礎学習
- OJT
- 実務経験
を経て、最低でも数年は必要です。このため、企業側も常に人材不足を感じやすい構造になっています。
2026年に求められるITエンジニア像
2026年現在、特に需要が高いのは以下のスキルです。
- クラウド設計・運用
- セキュリティ・情報管理
- AI/生成AIの業務活用
- 業務理解+IT提案力(いわゆる上流工程)
重要なのは、すべてを極める必要はないという点です。
「自分は何ができるエンジニアか」を言語化し、市場価値として示せる人ほど、年齢に関係なく求められます。
IT業界の人手不足は本当。そしてチャンスでもある
ITエンジニア不足は誇張ではなく、構造的な問題として今後も続くでしょう。これは裏を返せば、
- スキルを磨き続ける
- 正しく評価してくれる会社を選ぶ
ことで、長期的に安定したキャリアを築きやすい業界でもあります。
もし今の会社や仕事に不満があるなら、IT業界を離れる前に、
- 他社ではどんな評価をされるのか
- 自分の経験は市場で通用するのか
を、転職の専門家に相談してみるのも一つの選択です。知るだけでも視野は大きく広がります。
IT業界は、まだまだ人を求めています。どう活かすかは、エンジニア次第です。
