「属人化」という言葉があります。
一般的にはあまり見慣れない、聞き慣れない言葉だと思います。「俗人化」の方を思い浮かべる人が多いはずです。
「業務の属人化」と言った言い方も多いですがITシステムに関してもよく言われる言葉です。
ITシステムの属人化とは
ITシステムでも属人化と言われることがあります。
ITシステムの担当者が1人しかおらず、また仕様書、手順書等の資料も整備されていない為、1人の担当者だけがシステムの事を把握している状況を言います。
そうなる原因にはいくつかのパターンと原因があります。
➀システム担当者がシステム開発当初から担当していて、設計・開発、その後の改修まで自分1人で行っている。
②当初はシステム開発会社が担当し開発。その後引き継いだシステム担当者が開発スキルがあるため、自分で社内の改修要望を自分で実装した。しかし要望を聞き自分で開発を行う為、設計書類の改版、追加を行っていない。
③システム担当者と開発担当会社で工数削減の方策として資料作成を省き開発。運用開始後はシステム担当者が運用保守を引き継いだが資料整備を実施されないまま1人で運用している。
属人化の何が悪い?
多くの企業で属人化を問題化しています。属人化は何が悪いのでしょうか。
➀担当者が不在時に障害などが発生しても誰も対処出来ない。
②万が一システム担当者が不正な開発、コードを埋め込んでも誰も分からない。
③担当者が急に退職やいなくなった場合に誰も仕様が分からない、引き継げない。
④その担当者1名の業務負荷が上がる。過重労働になりかねない。
と言ったことが考えられます。
属人化のメリットもある?
ではメリットはないのか?
それは少ないですがあります。
➀「システムの事は○○さんに聞けば分かる」体制。 社内からの質問への回答が迅速にできる。
②システム変更などでの仕様調査が不要で仕様決定も早く、対応スピードが早い。
私が考えられる、そして経験したメリットはこの2点です。
不在による業務停止の比較したら、こちらの方が少ない物と思われます。
属人化させないために
では属人化させない為にはどうすれば良いかです。
考えられる方策は以下になります。
➀設計段階からの設計書類の整備、常に最新化
②➀を実現する為、社内開発標準化の策定、遵守
③複数担当者の設定
この点が大事になるのではないでしょうか。
その為に社内システム担当者の充実が望まれます。
情報システムは会社の中枢となります。社内情報システム部、社内SEの充実はシステム内製化へとつながり今後DX化の鍵になるのではないでしょうか。