新しい社会の目指す姿として「Society 5.0」が日本では示されています。
私も最近までこの言葉を知らずに高校生の子供から学びました。
そこで今回はこの「Society 5.0」について、概要をまとめてみました。
Society 5.0とは
Society 5.0(ソサエティー 5.0)は、日本が提唱する新しい社会のビジョンで、IoT(Internet of Things)、AI(人工知能)、ビッグデータ、ロボティクスなどの先進技術を活用して、経済や社会のあらゆる分野での効率や利便性、創造性を向上させることを目指した社会構想です。
Society 5.0の概念を具体化し、現実のものとするために、令和3年3月26日に閣議決定された第6期科学技術・イノベーション基本計画では、我が国が目指すべきSociety 5.0の未来社会像を「持続可能性と強靭性を備え、国民の安全と安心を確保するとともに、一人ひとりが多様な幸せ(well-being)を実現できる社会」と表現しています。
Society 5.0という名称は、人類の歴史を次の5つの段階に分けて考えたことから来ています:
- Society 1.0 – 狩猟・採集社会
- Society 2.0 – 農耕社会
- Society 3.0 – 産業社会
- Society 4.0 – 情報社会
- Society 5.0 – 超スマート社会
これを見ると1.0から2.0は数千年単位のスパンですが、3.0以降は数十年単位で移っています。産業革命以降の社会変化がいかに早いかが分かります。
Society 5.0では、先進技術によって、物理空間とサイバー空間を融合させ、人々の暮らしや働き方、ビジネスの仕組みなどをより豊かで効率的にしようとしています。例えば、医療や交通、エネルギー、教育などの分野で、データを活用した新しいサービスやシステムの創出が進んでいます。
この構想は、持続可能な開発目標(SDGs)とも関連しており、技術と社会の調和を重視しながら、より良い社会の実現を目指しています。
Society 5.0 が実現されるとどうなる
ではSociety 5.0が実現されるとどうなるか?
実現により様々な分野で大きな変化と進化がもたらされます。以下はその主な効果です。
- 暮らしの向上 Society 5.0の実現により、人々の生活はより便利で効率的になります。例えば、スマートホームシステムが家庭内のエネルギー管理やセキュリティを最適化し、健康管理や医療サービスもAIやIoTを活用してパーソナライズされます。
- ビジネスの革新 企業は先進技術を活用して新しいビジネスモデルを創出し、効率を向上させることができます。例えば、製造業ではCPSを活用してスマート工場を構築し、生産プロセスを最適化します。
- 交通の進化 自動運転車やドローンの活用により、交通の安全性や効率が向上します。また、交通インフラのデジタル化により、公共交通機関の最適化やリアルタイムの運行情報が提供されます。
- 医療の発展 AIやロボット技術が医療診断や手術、リハビリなどに応用され、より精度の高い医療が提供されます。遠隔医療も進展し、地方や遠隔地の患者にも高度な医療サービスが提供されます。
- 教育の改革 個別に最適化された学習が可能になり、オンライン教育やデジタル教材が普及します。AIを使った教育アシスタントが生徒の学習をサポートします。
- 持続可能な社会 エネルギーや資源の効率的な利用が進むことで、環境への負荷が軽減され、持続可能な社会の実現が進みます。
- 格差の解消 Society 5.0は、技術を活用して社会的格差を減らすことを目指しています。例えば、AIによる公正な情報提供や教育機会の均等化などが実現されます。
- 社会全体の効率化と創造性 データと技術を活用して、社会全体の効率化と新しい価値創造が進みます。例えば、都市計画やインフラの管理、エネルギー供給の最適化などが可能になります。
Society 5.0の実現は、これらの分野での進歩をもたらし、人々の生活や働き方、社会全体の構造に大きな変化をもたらすと期待されています。
まとめ
Society 5.0は人々に多くの利益と変化をもたらすと期待されています。
人々の生活の質が向上し、より持続可能で豊かな社会が実現されると考えられています。ただし、技術の進歩に伴うリスクや倫理的な課題にも注意を払い、適切な対策が求められます。
見ても分かりますが、実現に必要な中心要素
この後はSociety 5.0を実現するためのITの役割を纏めてみたいと思います。